私は、この模様の真っ白なセーターを
”自分の手で”
編みたかったんです。
この模様のセーターは、作品集「プレゼントニット大図鑑」という日本ヴォーグ社の作品集の中にありました。発刊されたのは昭和。デザインは、風工房さんです。
オリジナルパターンはセットインスリーブだったのですが、編み物初心者の私の都合で編みやすいスクエアスリーブに変更しています。
おそらく1988年。編み物をはじめて何年もたつのだけれど、いかんせん独学。編んではほどき、編んではほどき。何も納得いくものが完成できないでいた時にふらっと立ち寄った手芸屋さんにあった本でした。
楽しそうな表紙を何気なく開くと、そこにはみたこともないような作品ばかりが載っていました。
作品が素敵なばかりではなく、撮影小物も素敵、編み手のうきうきとした心境が語られるキャプションも素敵。さらにはラッピングのアイディアまで盛り沢山。編み物の基本や初心者向けの本を探しに行ったはずだったのに、その本は一瞬で私の心を鷲掴みにしてしまったのです。
ぜーったい編めない、けれどもこの本が好き。
という理由で、隣にあった編み物の基礎と散々迷った挙句に購入しました。当時これを選んだ私、万歳。
いまだに引き返し編みも怪しいですが、このあこがれのアランセーターをパターン通りに編んでみたいです。きっとこの本を買った当時の私が、おばさんになっても諦めずにいたことに驚くでしょう。
そして願わくば私も。私の好きな場所やものを、こんなふうに表現していきたいなと思うのです。